蜘蛛に噛まれて恐るべき身体能力を手に入れた青年が弱きを助け悪を挫く。アメリカ式勧善懲悪の代表作を、「死霊のはらわた」のサム・ライミ監督が映画化。
金と時間を掛けて作られただろうにもかかわらず、B級作品の臭いが拭えない。
情けないモヤシ男が特殊能力を得てヒーローになるというくだりまでは好感が持てる。が、そのほかの細かいところはいただけない。
まず、あの赤髪のヒロイン。安い、頭が良くないと持ってきて、誰にでも股を開きそうなビッチと来ている。あんな女を誰が救いたいと思うだろうか。主人公が好いている理由もよく分からない。
次に肝心な敵。芸人のヒロミにうっかり間違えそうになるが、演じているのは、プラトーンでお馴染みのウィレム・デフォーである。なるほど、この人は悪役としては申し分なく、かなり良い味を出している。だが、これを一個の敵と考えたとき、どうしても、安っぽい印象を持ってしまう。あの漫画チックな仮面が余計にそう思わせるのだろうか。そもそも、漫画の悪役を実写で表現しようというところに無理があったのかもしれぬ。
悪口ばかり言ってしまったので、良いところも一つ挙げておくと、スパイダーマンとヒロインのキスシーンは良い画だと思った。これでヒロインがビッチでなければ完璧だったのだが…。
まぁ、良くも悪くも、B級映画ということである。