スガシュウヘイ

スパイダーマンのスガシュウヘイのネタバレレビュー・内容・結末

スパイダーマン(2002年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

“great power comes great responsibility”
(大いなる力には大いなる責任がともなう)

格言ですね。大人になればなるほど、この言葉に共感する。


私がこの映画を最初に見たのは、学生時代でしたが、今ではもう字幕なしで見てます。ストーリー全部覚えてるので。また久々に鑑賞したので、再レビューします。


とにかく衝撃的だった。斬新なスパイダーアクションは当然だが、アメコミのアクション映画が、ここまで深く人間ドラマを描いたことはなかった。いや、あったのかもしれないが、少なくとも私には初めての体験だった。アクションとドラマの両立だ。本作以降、アメコミアクション映画にも、ドラマ要素が加わっていった気がする。

とりわけ、自分のちょっとした腹いせのため、わざと逃がしてやった強盗犯が、その後自分の叔父を殺してしまう、という展開が衝撃。叔父とはケンカ別れしたままだった。あの時、俺は捕まえることができたのに。悔やんでも悔やみきれない。


親友ハリーの父親がグリーンゴブリンというのも、切ない。グリーンゴブリンはスパイダーマンとの戦闘で死んでしまうが、ハリーは父親を殺した(と思い込んでいる)スパイダーマンを恨み、復讐を誓う。スパイダーマンの正体が、まさか自分の親友だとも知らずに。この復讐は3部作のラストに超感動の展開をもって完結するのだが、それはまだ後の話。


MJとのラブロマンスについては、MJがビッチすぎるという意見や、そもそもブサイクだ、という意見もあり、私もそこに関してはあまり強く否定できない笑。
しかし、ピーターとのキスでスパイダーマンとのキスを思い出し、スパイダーマンの正体に気付くというのは、良い。
またその時、「あなただったのね、。」的な陳腐なやり取りがないのが、また良い。去りゆくピーターの背中越しに、ハッと気付いたような表情をするだけだ。私はこういう無駄を省いた演出はカッコいいと思う。


ピーターは、そもそも強い人間ではない。迷い、葛藤し、恋に悩み、見栄を張ったり、力に溺れたりしながら、その中で成長していく。普通の人間。この点が、爽快なアクション以上に、この映画の魅力となっている。


何度見ても見飽きない。
名作。


公開:2002年
監督:サム・ライミ
出演:トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト、ジェームズ・フランコ、ウィレム・デフォー