「大いなる力には、大いなる責任が伴う」
科学好きの冴えない高校生ピーター・パーカー。
彼は幼い頃に両親を亡くし、叔父夫妻の下で平凡に暮らしていた。
隣家のメアリー・ジェーン・ワトソン(MJ)に片思いのままの日々。
ある日社会科見学で訪れた大学の研究室で、彼は遺伝子組み換えをされたクモに咬まれ体調を崩してしまう。
だが翌朝目覚めると、彼は強靭な肉体とクモに由来する特殊能力を身に付けていた。
意図せず手に入れた能力に彼は溺れ、好き勝手に振る舞う毎日。
そんなある日、彼が無責任に取った行動のせいで取り返しのつかない事態が起きてしまう。
心に大きな傷を負った彼は、自分に与えられた能力を正しく使うことを誓う。
ここに真の意味のヒーロー「スパイダーマン」が誕生する...。
原点にして良作。
サム・ライミ監督版第一作の本作は、娯楽アクション大作となっている。
物語はスパイダーマンの誕生秘話から丁寧に描いており、そこはかとなく暗部を抱えるスパイダーマンの物語は、ホラー寄りの監督の色彩感覚や映像表現と非常にマッチしていると思う。
驚異的な身体能力と反射神経、そして壁上りと手首から出るクモの糸。
スーパースパイダーに咬まれたことで発現する、ピーターの身体の変異の描写も見どころだ。
アクションも秀逸で、特にスパイダーマンがニューヨークのビル街を飛び回る姿は実に爽快。
また、本作のヴィラン「グリーン・ゴブリン」。
コスチュームのデザインはアレだが、その狡猾な戦略はスパイダーマンを苦しめる。
正体はピーターの友人ハリーの父親で、軍需企業「オズコープ」の社長ノーマン・オズボーンだ。
根っからの悪人ではないが、開発を急がされた身体能力増強剤を自ら実験台として使用した際の副作用により、凶暴で悪辣な人格が生まれてしまったのだった。
強化された肉体と小型飛行装置「グライダー」を駆使し、幾度となくスパイダーマンの前に立ちはだかることとなる。
家族の愛、男女の恋愛、男同士の友情、社会の柵、などいっぱいに詰め込んだ良作だった。
最期に一言。ピーター顔ばれし過ぎだよ。
ハナマル!
2020/08/30