いずみ

肉屋のいずみのレビュー・感想・評価

肉屋(1969年製作の映画)
4.2
超傑作。めちゃめちゃ怪奇的で怖い。怖すぎるけど奇妙な愛。シャブロルの映画は大体田舎町が舞台で、そこにいる閉鎖的な人間たちの閉鎖的な闇の心を暴いていく。若くして小学校の校長であるエレーヌは同僚の結婚式で肉屋で働いている男と出会う。結婚はしないのか、と聞かれ10年前に失恋したことがトラウマであると男に話す。男の誕生日にプレゼントしたライター。それが頻繁に街で起こる残虐な殺人事件の事件現場でエレーヌは男にプレゼントしたライターを見つけてしまう。一瞬恐怖に斧めくものの、疑惑であったことが判明。変わらず男は先生を求め、先生は男の奇妙な存在に虜になる。果たしてこれは愛なのか…と問われるが、要は愛情に飢え、血の匂いなや依存した男が女を求めるのではなく母親的な存在を求め、先生!先生!と毎晩のようにエレーヌに会っていたのだと思う。腕にだきたかったのはエレーヌではあるが、愛情だと思う。自殺した男を車に乗せ病院へ運ぶエレーヌはそれを悟って運ばれる男にキスをしたのだと思う。それを全て涙で消し、水とともに流そうとしてラストへ行き着いたのだと思った。超傑作。
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