ビターチョコ

ムトゥ 踊るマハラジャのビターチョコのレビュー・感想・評価

ムトゥ 踊るマハラジャ(1995年製作の映画)
4.0
好きな映画の1本だが、実は他のインド映画を知らない。

★ネタバレ注意。


あらすじ(かなり、うろ覚え)。
大富豪がいて、そこの召使の男が主人公。彼は喧嘩が強くて人望がある。村にサーカスがやってきて、美人の花形スターに大富豪の息子が惚れる。そこで何故か、召使がスターと迷って二人きりになって相思相愛に。召使は富豪の息子がいるので、我慢するのだが……。

上のあらすじは、ネタバレかも?
でも、この程度を知っていても困らないと思う。
むしろ知っていることで楽しめる気がする。

約3時間の長い映画。派手な歌と踊りが頻繁に出てくる。豪快だ。(わざとなのか)役者たちの演技は大袈裟だが、コメディ調なので気にならない。

★下は、本当にネタバレ注意!



実は、主人公はその家の主(あるじ)だったという話。観客はそれを知って、優越感を得るのだろう(私もそうだった)。

ところでこの映画、私の初見はNHK教育だった(現在のEテレ)。気に入ったので、録画したものを三回以上は観た。全体の印象は、日本の昭和30年代のコメディ映画。植木等が主演した「日本一シリーズ」のニオイがする。歌と踊りもあるし。

だが、これはインド映画だ!
歌と踊りがハンパねぇぇーーー!
派手だし長いし、脈絡ないし。そこが楽しめるなら、この映画は最高の映画になるのかもしれない、私も好きだし。実はちょっと乗り切れない部分があるが、それはたぶん私がインド人じゃないからだろう(?)。

たまに観たくなる映画。
20年前の日本公開当時、静かなブームがあった気がする。類似のインド映画も輸入されたと思うが、ここ十年以上は下火の気がする。この映画だけ凄いのか、他のインド映画もこんな感じなのか知らない。
ところで、主役の男優がスターなのは違和感があるが、それは今の若い世代が「昭和のスター高倉健」に違和感があるのと似てる気がする。三船敏郎の良さは、たぶん今も世界中の人が判るだろうが、私は高倉健の良さがわからないのである(嫌いじゃないんだが、別格なのが判らないのは任侠映画を知らないからだろうか)。

観終わった後、楽しさが続く映画。ハッピーな映画は「いい映画」だと思う。