1973年、『第三の男』のキャロル・リード監督の遺作。
英国の上流階級出身で一流の公認会計士チャールズが、その妻ベリンダ(ミア・ファロー)の浮気を疑い、私立探偵に行動調査を依頼する。
この3人の不思議な三角関係のお話。
母と金曜ランチしたり社交界との付き合いもある英国紳士チャールズと、気ままにインド旅などしていた米国生まれのベリンダ。
出会いはチャールズがたまたま覗いたインド料理のレストランのホール担当のベリンダに一目惚れ。
しかし、結婚後は、几帳面なチャールズと、気ままにロンドンの街に出かけたり待ち合わせ時間に遅れがちのベリンダ、二人の関係はギクシャク。
ベリンダは「結婚前は、もっと分かち合い、与えあい、触れ合っていたのに・・」と夫に訴える。ごもっとも。
日中外出がちな妻の行動に疑惑を感じた夫は探偵事務所へ依頼。
当初依頼した探偵とは違うクリストフォルー(トポル)というユニークなキャラの男がチャールズの事務所に10日間の行動調査の報告にやってきますが・・
クリストフォルーは、髭面で白いコート、白いバッグ、白いハット、マカロンを頬張りながら白いベスパで移動という、私立探偵としては目立ち過ぎのキャラ(笑)。
彼はベリンダを尾行していたのかと思いきや、いつしか二人は互いを意識するようになり、接触したり話したりはしないものの、半分デートのような10日間を過ごしていたという。
当然、依頼した探偵と妻がいい感じに?なんじゃそりゃ!とチャールズは激怒するわけですが、泥沼になるわけではありません。
クリストフォルーはベリンダによって救われ、ベリンダはクリストフォルーによって救われ、最後はチャールズがクリストフォルーによって救われるという、不思議な魅力のストーリーでした。