緑

甘い汗の緑のネタバレレビュー・内容・結末

甘い汗(1964年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

京マチ子初鑑賞。
役柄が余計にそう見せた部分もあるのだろうが、
意外と肉感的だった。
調べたら1949年の「痴人の愛」にも出演している模様。
1967年のは配信で観たことあるけど、
京マチ子版も是非観たい。

水商売から愛人業に流れようとするもしくじり、
エロテープ制作を始めようとするもしくじり、
昔の男とヨリが戻るかと思いきや戻らず、
酒で暴れては身内に疎まれる不器用で逞しい女性の話。
ギリギリのところでパン助まで堕ちないで
踏ん張っていることに感心。

佐田啓二が京マチ子に「浅ましい」と言っていたが、
昔の女に会いに来て即日宿に連れ込むあんたもご同輩。
そもそもその昔に子ども込みでは
女を受け入れられなかった時点で器小さい。

京マチ子の娘がひたすら受難。
いかにもこの時代の作品らしい芝居(褒めてない)もあって
カラッとしているように思えてしまうが、
かなり痛ましい環境に身を置いている。
貧乏大所帯で学費滞納、
勉強の邪魔をする身内、
寝込みに助平働く親戚、
借り物を勝手に拝借して返さない母親、
良い環境の家で言われるのは
「竹子ちゃん引き取ってもいいけど、あのお母さんが」。
この環境から得た長所は逞しさのみだろう。

クズな母親なのに数回発される「泣くなよ竹子」で
なんかいい感じになってしまうのは
京マチ子の演技力の賜物か。すごい。
緑