TaiRa

殺しの烙印のTaiRaのレビュー・感想・評価

殺しの烙印(1967年製作の映画)
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10年ぶりくらいに観直したけど、ちゃんと意味分かんなかった。話は分かるのにね。

記憶してたよりカッコ良さとは縁遠い宍戸錠と記憶通りカッコいい真理アンヌ。これに尽きる。ハードボイルドよりナンセンスなテイストの方が強かったね。大和屋竺の味が相当濃い。彼が演じてるナンバー4の佇まいなんかは濃過ぎるね。米の炊ける匂いで興奮するとか、なんの意味もないし。前半、中盤、後半で全然テンション違くてかなり歪な構成。『深夜プラス1』な部分はシンプルにカッコいいし好き。ナンバー2の火だるまスタントの画ヅラをはじめ、画面の強さに関してはやっぱ清順スゲえって思う。真理アンヌ登場時の水ってこんなに頻繁に統一されて使ってたのか。豪雨とか噴水とかシャワーとか。映画の半分以上は宍戸錠が心理的に削られる描写。女で失敗する典型的なノワール構造なんだけど、もっと抽象的で、要は悪夢的。同年の『殺しの分け前』もそんな感じだった。原作の『悪党パーカー/人狩り』にその感じあるのかな。『〜烙印』も影響されてるから部分的に似るのは必然だけど。小説から映画までの飛躍が二本とも凄いのか。後半で殺し屋たちを一掃する港の銃撃戦はアイディアも見せ方も楽しい。ナンバー1登場で再びナンセンスな笑いと心理の世界に。終わり方はめっちゃ覚えてたし今後も多分忘れない。それ以外全部忘れても。
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