kazu1961

晩春のkazu1961のレビュー・感想・評価

晩春(1949年製作の映画)
4.0
「晩春」
1949/9/19公開 日本作品 2017-169
TSUTAYA CINEMA Handbook 2016
1960年代以前ランキング23位 再鑑賞

小津安二郎監督の作品はいつも日本の原風景を感じることができるのでホッとします。
本作も父と娘の深い家族愛が見事に描かれています。特に笠智衆演じる父親が娘を嫁にやる悲哀がひしひしと伝わってきます。
小津安二郎監督ならではのローアングルで切り返す独特な人物ショットの反復や、空舞台と呼ばれる風景カットの挿入などの映像スタイルは本作もで確立されたと言われています。人物の動きがよりクローズアップされるんですよね。
ラスト10分はぐっと身につまされました。。
そして笠智衆の「お父さんはもう56歳、人生の終わりに近づいている」と言う台詞はその撮影された時代の年齢感をあらわしていますね。。

娘の結婚を巡るホームドラマを小津が初めて描いた作品であり、その後の小津作品のスタイルを決定した。小津が原節子と初めてコンビを組んだ作品でもある。なお、本作および後年の「麦秋」(1951年)、「東京物語」(1953年)で原節子が演じたヒロインはすべて「紀子」という名前であり、この3作品をまとめて「紀子三部作」と呼ぶこともある。
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