Masataka

晩春のMasatakaのレビュー・感想・評価

晩春(1949年製作の映画)
4.0
4月、晩春でございます。

娘を思う父の気持ちはいつの時代も変わらない。独特な構図のミニマルな反復、静かなリズムと漂うペーソス。笠智衆の優しい微笑みには、郷愁さえ感じる。
戦後すぐ、昭和24年の映画ではあるけれど、紀子の友人のアヤちゃん(月丘夢路)に新しい時代を感じる。紀子が27歳で未だ独身なのに、同級のアヤちゃんは既にバツイチ。でも速記の職を持って一人でも逞しく生きており、次こそはいい男を見つけると揚々としいる。
劇中「最近の若い人は〜」みたいなセリフが何度かあるが、当時も今も、大人の若者に対する見方はあまり変わらないんだなーと思った。

原節子は綺麗だけど、ずっとアップで見てるとちょっとクドい顔をしている。画面には映えるけども。そして叔母役の杉村春子は別格に演技がうま過ぎて逆に浮いている気さえしてくる…。
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