dita

晩春のditaのレビュー・感想・評価

晩春(1949年製作の映画)
4.5
@神戸国際松竹 ~小津4K特集上映~  

色んな感情が後から後から溢れ出す素晴らしき日本映画。父娘の恋人同士のような関係性の危うさにどきどきした。笠智衆の「うん、うん」の奥深さ。淡々と話すことばの奥に込められた感情。くまたろうことくーちゃんは、紀ちゃんをどうか幸せにしておくれ。

名場面、名カットばっかりなのは言うまでもないけど、いちばん美しいと感じた構図は2台並んだ自転車の奥に紀ちゃんと服部が並んで立っているシーン。ポスターにして部屋に飾って毎日眺めたいくらい好き。

原節子は笑顔の印象が強かったけど、怒った顔がめちゃくちゃ魅力的で何度ぞくぞくしたことか。わたしも紀ちゃんに嫉妬されて怒られたい。

父娘の関係性が自身のそれとは全く違うし、結婚する時に親にどんな挨拶したっけと思い出してみたら、一応「お世話になりました」とは言うた気がするけど普段言えなかったこと全部言うたれと思って父への文句をつらつら手紙に書いて渡したっけ。今思うと酷いなわたし。たまには顔見せるか。いややめとこ(深い闇。
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