「晩春」に投稿された感想・評価

2017年最初は小津安二郎の名作から

父親と一緒に過ごしたいと願う娘と、娘のことを想って嫁に行かせようと画策する父親の話

京都での夜、宿で2人が語り合うシーンは、ドラえもんの「のび太の結婚前夜」思い出した
自分の精神的・社会的帰属先(父親)を「人間生活の歴史の順序」のために無理矢理よく知らない男性(夫)へと転換させなければ幸せになれない。その転換の難しさにふーむと考え込んでしまう。

あと平成生まれ的には、原節子の「クラシックぶりっ子」はとても新鮮だった!かわいい!
2017年6月25日
BSで録画していたのを見ました。

小津作品あまり語れませんか、
やはり、途中から見いってしまいした。

この作品の後で、麦秋や東京物語がでたのか・・・
さすがに、今の時代ではない所が、多くて
面白いです^^;
「娘よ、早く嫁に行ってくれ!」と思っているお父さんと、「お父さんが心配で嫁に行きたくても行けないわっ!」と思っている娘との、日常を描いた物語。

風景や静物を撮る際の構図が素晴らしく、まるでモノクロの写真集を見ている様で美しい。写真好きにはたまりません。

だけどこの映画、若い人が観たら確実につまんない。なぜなら昔の親子の日常を描いただけで、なんの盛り上がりもストーリーも無い。
しかし私の様に、娘を持つお父さんが観たら骨の髄まで沁みます。とても良い話です。

なんだけど、、、もう一歩深いところまで感情移入できなかったのが、役者さん達の演技でした。特にお父さん役の俳優さんは大根にしか見えません(偉そうなこと言ってホント御免なさい。だけど、本心の感想です)。

繰り返し言いますが、とても良い話です。
なので、リメイクを熱烈希望します!

映画は撮影技術だけでなく、役者さんの演技も確実に進化している、と感じた一本でした。
白黒の画面の中に、瑞々しい家族のやりとりが込められて、終始暖かい気持ちになりました。
「なんだか不潔だわ」なんて、今じゃ中々出てこない言葉遣いですよね。美しい言葉で紡がれる、子供っぽい紀子の振る舞い、ちょっと顎を下げてじっと見つめる様子は、今でも何だかキュンとします。

もう一度、ゆっくり見たい映画。
父と娘の話。娘にはやくお嫁に行って幸せになってほしいと願う父と、周りにはやく結婚しなさいよと言われても、父を一人にできない、父と一緒にいたいと思う娘。
互いに思い合ってるのが、分かる。

能のシーンでの、父親と女の人を見て、目に涙を浮かべて父親に結婚して欲しくない様子を出してる原節子さんの演技が凄い。見ているこちらも父親にそれでいいのかよ!って問いかけたくなる。
原節子さんの笑顔とか涙したりするシーンが29歳と思えないほど可愛い。春のうららの隅田川を鼻歌で歌いながら洗濯してるのが上機嫌な様子で良い。お父さん役の笠智衆さんは独特な優しい喋り方で完璧。

ほとんどのシーンの冒頭に音楽が流れていて、優しい曲だったら優しい雰囲気に包まれる感じで、音楽で雰囲気を作ってる。

小津映画のいいなと思えるのは、対話シーン。冗談言い合ってるシーンや大事なシーン全部いい。しゃべる相手を単体で撮ったり変わってるなーと感じる。熊太郎さんの下りは結構好き。会話の間だったりテンポが良いからこそ、心に来るような会話になってるんだと思う。

このレビューはネタバレを含みます

父と一緒にいたい娘と、寂しいとはいえお嫁に行ってもらいたい父の話で、親との関係と自分の人生の兼ね合いを考えさせられる。

印象的なのは、京都旅行の際にやはり嫁に行きたくないと言う曽宮紀子を、曽宮周吉が諭すシーン。

結婚していきなり幸せになれるわけではない。
幸せは待ってるもんじゃなくて自分たちで創り出すもの。
結婚することが幸せではなく、新しい夫婦が新しい一つの人生を創り上げてゆくことに幸せがある。
それでこそ初めて本当の夫婦になれる。

とても深いメッセージで、ハイライトは間違いなくここ。
まだまだ良さがわからない
す、素晴らしい.......。もはや涙が出るほど美しい。。。
「間」のとり方が完璧過ぎて、もう、何なんだろうねー。これはマジで目を疑いますよ。この繊細な描写は日本人特有の感性から来るものだと思われるが、あまりにも的確過ぎて、もはや同じ人間の業とは思えない。全てのカットがほとんど奇跡的な美しさで満ち溢れている。構図の時点で既に大勝利しているのに、人物や物の配置、照明の完璧さで容赦なく追い討ちをかけてくる。のに加えて、更に「人の動き」がこれまた形容し尽くせない程美しく、全編どこを切り取っても画になるのだが、それ以上に「動の美」が際立っていて、やはりこれは紛れもなく「映画」なのだなー、と。原節子さんと笠智衆さんの演技の素晴らしさときたら、これもまた。。。
今書いた事をサックリまとめると結局ほぼ全部褒めちゃった事になるのだが、それもまあ仕方が無いことなのだろう。まるで非の打ち所がない。
ただ、小津さんの映画における美しさというのは、技巧的な観点から理解しきれるものではなく、その前提にはやはり当時の戦後日本の家庭の営みを見つめる小津さんの温かい眼差しというのがほぼ絶対的にあるのだと思う。ものすごく繊細で、それでいて優しさに満ちた眼差し。日本人ならば誰もが兼ね備えていながらも、ほとんどの人は気にも留めずに捨て去ってしまうような些細な眼差し。どこか印象派画家を想起させるような情緒に溢れていながらも、小津さんの描き出す家族の物語には、他のどの作家の作品にも似つかない崇高さのようなものさえ感じる。
そういった眼差し。奥行きのある構図や豊かな画はスクリーンの奥に深い空間を生み出し、そこを絶妙な「間」と「動き」で満たす。だから小津さんの温かい眼差しがその空間によりリアルに映える。計算され尽くした「光」がそれを美しく照らす。やはり、技巧との結びつきを欠かさないのだ。
物語の内容に関しては、もはや何も言う事はないと思う。見ていない人はとりあえず見ればいい。ただ、分かりやすくかつさり気な〜くメタファーを織り込んでくるあたり、上手いなーというのは感じた。

正直、小津さんの映画に関してこんな説明をする必要は無いと思う。ただ、一つ特筆すべきだと思ったのは、核家族化や情報化社会の発達、価値観の変化など、様々な社会問題の進行の影響によって、当時の家庭の在り方が失われてしまいつつある(あるいは変化)現代において、今の若者にとっての小津映画というのは、そういった失われつつある当時の家庭の風景や人と人との結びつきに対するノスタルジーというか憧憬のようなものであって、まあとりあえずこのような作家の作品に高校生の内に触れられたのはマジでデカいと思った。これはもう国宝級っすよー。

ラストはもちろん泣いちゃいました。





C
2017/05/29
4.1
原節子かわいいなあ。笑いながら何度もおじさま不潔よって言うシーン笑ってしまった
良い親子だなあ。こんな父親良いなあ
>|