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20世紀少年<最終章> ぼくらの旗のHKのレビュー・感想・評価

1.1
浦沢直樹のベストセラーである漫画「20世紀少年」の劇場版3部作シリーズ最終章。監督は堤幸彦。キャストはこれまでとほとんど変わらない。

暗殺されたのち蘇り神としてあがめられたのち、更に強力な細菌を振りまきメシアとして君臨し世界を支配しようと企むトモダチ。東京に巨大な壁を立て、そこにノスタルジックな街並みを復元していた。カンナたちは都内でテロ組織を組み、反逆者として決起しようとする。一方その頃実は生きていたケンヂは検閲によって東京に入れない人たちを先導し東京に潜入する。彼の姉でカンナの母親であるキリコは強力な細菌の免疫を作るワクチンの精製に成功する。東京でフェスティバルを開き最後に細菌がばら撒かれる前に彼らに予防接種させようとするが、果たしてうまくいのか。

2時間30分は長いよ。そして堤さん好きの私からしても正直言ってはらわた煮えくりかえるような陳腐な演出ばっかりでもう限界です。

何度も何度も繰り返される説明と過去回想のシーン、滅茶苦茶お客さんに丁寧な演出。(褒めてないです。)もう馬鹿でも分かるねこんなの。

前作までは堤さんの良さも生かせてたからある程度恩赦で見逃していたけど、流石に今作は上映時間の長さが相まって無駄がありすぎる演出でもうお手上げです。これはクソですわ。擁護できない。

でもせいぜい良かったところは、古田新太さんの音楽シーンに合わせて細菌散布で人々が血吐きながら死んでいくところはまあ良い味出していたんじゃないの。ああいう部分を全面に出せばよかったのに。

でも、はっきり言わせてもらうと、一番の見せ場でスローモー、漫画から抜き出したような現実味の無い会話、そして何度も繰り返される回想、抱擁シーンで一番壮大な音楽をかける。邦画の悪い所を集結させたような出来ですね。

ラストの展開は堤幸彦さんオリジナルですか。だったらちょっと欺瞞に満ち溢れていて酷いラストですね。お互いに認め合えば虐め問題だって大丈夫だし友達になることもできるですか?あんだけ壮大なことやって最後はこんなちっこい話題で終わりかよ。私だったらそんなことする奴あっちから来ても知らんぷりしますね絶対。そうやって和解するでもなく関りを持たない方がよっぽどええわ。

堤さんせいぜい後味悪い終わり方にすればよかったのに。そうすれば評価も変わっていたかもしれません。

浦沢直樹の子の漫画も読む機会があれば読んでみたいですね。

そして「す~だら~」大嫌い。

3部作観るよりクレシンの大人帝国見たほうがお勧めです。
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