ガンビー教授

ザ・フライのガンビー教授のネタバレレビュー・内容・結末

ザ・フライ(1986年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

よくこんなこと思いつくなというキモいビジョンも楽しいし、ショックシーンのためらいのなさも清々しくて楽しい。肉体的精神的に変容していくブランドルを支え、愛し続けようとするヴェロニカも泣かせるし……

ヴェロニカとその元夫が、ハエ遺伝子を受け継いでいるであろう子を堕胎しようと決心して車に乗り込み、そのようすを隠れ家めいた研究所の窓からブランドルが密かに見下ろす形で覗き見ている……という場面、ふたりとブランドルの距離感やこの見下ろすアングルが、古城にひそむ怪人が地上の人間を覗き見ているような雰囲気を漂わせていて、まさしく怪奇映画の文脈を感じる。だからやっぱここは見下ろすアングルでないといけないのだろうな。

キャラ的に敵役ポジションだろうという元夫がヴェロニカを救出することになる脚本が変わっている。

あらゆる意味で一線を踏み越えたあげく、自ら死を求めるハエ化したブランドルの姿、やはり憐れで悲しい。

楽しみました。やっぱこういう映画が一番面白いよね。

些細なことだけど、ハエ化が進行して耳がもげ始めたりしつつあるブランドルを抱きしめてやるヴェロニカながら、次のシーンで元夫が軽くボディタッチをしようとした瞬間軽い嫌悪感とともにさっと体を引いてみせる、みたいな対比も効いている。彼女の受容と拒絶が映画を展開させる軸になっているのですよね。やっぱ愛にまつわる話なのかな。
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