あかつか

グラマ島の誘惑のあかつかのレビュー・感想・評価

グラマ島の誘惑(1959年製作の映画)
4.5
アナタハン島事件をモチーフにした天才川島雄三の珍作。見たいなー見たいなーと思っていたらいつの間にかDVDが出てたので思わずクリック。DVD化してくれた担当者に感謝。

元ネタ同様、南の島という設定だけど思いっきり房総か能登みたいな海岸やなと思ったら鴨川らしい。「あ、アルバトロスだ」じゃねーよw …と、まぁこのへんはご愛嬌。

女性だらけのグラマ島に漂流してきた軍人に森繁久彌、フランキー堺、桂小金治。島の女性たちに浪花千栄子、宮城まり子、轟夕起子、八千草薫、淡路恵子、岸田今日子ほか。現地のターザンに三橋達也。

前半は島での生活。いろんな事件を経て島でも軍国主義から民主主義が敷かれたりして。後半は帰国してからの生活。この後半パートの、暴露本あり民主主義あり天皇制あり水爆実験ありのワチャワチャが(川島っぽいともいえるけど)ちょっと落ち着きがない。前半の異様なテンションが大好物だっただけに残念。

川島曰く失敗作らしい。それでもひとりひとりの演技は大注目。森繁久彌の明らかに昭和天皇を模した話し方。漂流してきて威張り散らす君側の奸・桂小金治。吉原の遣り手婆・浪花千栄子。歌って踊って暴れる轟夕起子。特筆すべきは報道班員の岸田今日子。めっちゃカッコいい。髪型ステキ。『VOGUE』の表紙飾りそうな美しさ(読んだことないけど)。八千草薫は可愛いけどあんま出番なし。

ところで、DVDのジャケットに岸田今日子のクレジットないの何故。
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