上海十月

グラマ島の誘惑の上海十月のレビュー・感想・評価

グラマ島の誘惑(1959年製作の映画)
2.8
本作の方が川島っぽいと思う感じがしますね。スラップスティックな早回しを入れたりと日本の戦前戦後を茶化した内容は、本領発揮というとこでしょうか。アナタハン事件をモチーフにした戯曲が原作なんで事件は、ほとんど関係ない。ときおり入る円谷特撮がちょっと面白い。森繁のちょっと女性的な仕草で演じている皇族がおかしい。フランキー堺も吉原スープを作ったりと戦後の方の活躍が面白い。沖縄問題、反核、天皇制そして沖縄といろいろ混ぜあわせてスラップスティックをしてるのが川島雄三の本領だろう。ただスラップスティックが上手く行っているかと思うとそうでもないので正直このフィルムの使い方については、あまり感心しない。やはり「幕末太陽伝」が奇跡的にスラップスティックな部分と文芸的な部分が合体した傑作だったのだと今更ながら思う。
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