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ランボーのkouのレビュー・感想・評価

ランボー(1982年製作の映画)
3.5
《悲しみを怒りに》

「ロッキー」と並ぶスタローンの代表作。子供の頃に見て以来だったのだけれど、見直してみるとやはり面白かった。この映画の特徴は2つあると思う。

1つはアクション映画にありがちな派手な銃撃戦や爆発による演出が少ない点だ。終盤は派手になるが、中盤までは数多くの敵を相手に山の中でゲリラ戦を行い、戦場の知恵や経験からの戦闘を繰り広げていく。複数の相手に対して1人で戦うためには有利な場所でゲリラ戦をするのは当たり前かもしれないが、1人 Vs 複数の戦いの面白さがあると思う。山の中を自在に戦う姿、工夫して戦う様は見ていて惹き込まれる。

2つめはランボーがベトナム戦争の帰還兵であり、トラウマを抱えた主人公というところだ。冒頭から暗い雰囲気で物語が始まり、その苦悩を払拭することはない。ベトナム戦争ですべてをすり減らしたランボーがアメリカに帰っても理不尽な理由で排他されていく。過去に苦しみ、そしてその苦しみは続いているのだ。どうしようもない悲しみを怒りに変えたラストは痛快とはいえないが、カタルシスがあった。ただのアクション映画ではない重厚感があると思う。
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