地底獣国

ドラゴン・インの地底獣国のレビュー・感想・評価

ドラゴン・イン(1992年製作の映画)
3.8
キン・フー監督「残酷ドラゴン 血斗竜門の宿」のリメイク作であり、本作のプロデューサーであるツイ・ハークはのちに続編「ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝」を監督。

上記2作は過去劇場で観たはずなんだが中身殆ど忘れてる。ジェット・リーが竜巻に巻き上げられながら闘ってるシーンは印象に残ってるんだが。

時は明代、諜報組織「東廠」長官ツァオ(ドニー・イェン)の専横を皇帝に箴言しようとした重臣の楊は濡れ衣を着せられ処刑。その遺児たちは辺境に流刑になるが、これは楊の臣下たちを誘い出すツァオの策略だった。流刑者一行と彼らを救うべく駆けつけた剣士(ブリジット・リン、レオン・カーフェイ)たちは、途中辺境の宿屋「龍門客棧」に立ち寄るが、そこにはおよそ堅気ではなさそうな客がたむろし、女将(マギー・チャン)以下宿の従業員も一筋縄では行かない面々。さらに東廠の先遣隊も到着し、誰が敵か分からない中で、宿屋は一触即発の状態に…というお話。

なんせ30年前の映画だからみんな若い。レオン・カーフェイはまだ精悍で、ドニー・イェンも「師父」よりは「ド兄さん」と呼んだ方がしっくりくるし、ブリジット・リンは「キリッ」て音が聞こえてきそうなぐらい素敵。

マギー・チャンは言い寄ってくる客を自室に引き込んでから殺して身ぐるみ剥いで、死体の肉を饅頭の具にして出すというえげつない役どころ。投宿したレオンに横恋慕したことから事態はさらにややこしく。

宿から外に出る隠し通路の場所を聞き出したいレオンと、どうにかして一回ヤりたいマギーが悶着してたり、気を揉んでるブリジットが酒をあおったりするくだりが結構長くて、「これいつまで続くんや」などと思っていたらそこは心得たもの。

見てる側と同期するかのように痺れを切らした血の気の多い人物が口火を切って殺し合いが始まり、さらに東廠の本隊もやって来て宿を包囲し一気にクライマックス!

なんとか抜け道を通って宿から脱出し、国境へ向かう一行、追って来たド兄さんと最終決戦!「残酷ドラゴン -」のラスボスはめっちゃ強いけど持病のせいで体力が保たないという弱点があって、本作のド兄さんも白塗り顔してたんでそういう設定なんかと思ってたら全然違った😅

レオン、ブリジット、マギー三人掛かりにもかかわらず徐々に劣勢になり追い詰められ、「いや、これどうすんの?」と思ってたら…!(知りたい方はネタバレありコメントへどうぞ)!あのやられ方は男塾の某敵キャラ思い出した。

そんなわけで全盛期の香港武侠アクション堪能できて大満足。「やはりワイヤーアクションは重力を超越してナンボだよなぁ」と年寄りじみた感慨に耽ったところで劇終。
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