ごろちん

フルスタリョフ、車を!のごろちんのレビュー・感想・評価

フルスタリョフ、車を!(1998年製作の映画)
4.4
観終わった後のグッタリ感……。なんせ皆んなテンション高くて思ったことを直ぐに口にする厄介な人たちばかり。1カットの中に次から次へと人が闖入して来て、脈絡の無い会話や突飛な行動を取る。とにかく展開がノンストップでついて行くのがやっと。会話の塊りが転がり続けて、どこに連れて行かれるのか全く見当も付かない中、辿り着いた先に「えっ、ここ⁈」となった。山の小石が転がって大海原に出た感じ(抽象的過ぎですよね…)

『動くな、死ね、甦れ!』もそうだけど、60年代のような画質の粗いモノクロ映像も魅力的。雪と泥の色の無い世界と戦後の市民の質素な生活がモノクロによって一層引き立てられている。ソ連映画の芸術性の高さを感じた。

映像から発せられるエネルギーに身を委ねて観て欲しい作品。
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