あざみ野

ベニスに死すのあざみ野のネタバレレビュー・内容・結末

ベニスに死す(1971年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

リバイバル上映など鑑賞の機会はいくつかあったのに、今回初めて鑑賞。

主人公はドイツ人音楽家アシェンバッハ。中年〜高年にさしかかる年齢か。そして美し過ぎる少年タージオ。
アシェンバッハの視線はタジオを追い、タージオはそんなアシェンバッハの事を時々見つめたりする。でも二人の間に会話はほとんど無いのだ。

ベニスにはコレラが流行り・・・タイトル通り主人公は浜辺の椅子で最期を迎える。
印象に残るのは、死に行くアシェンバッハの目に映るタージオの美しい姿。
そしてアシェンバッハの顔に塗られた白粉、両頬に垂れた白髪染めの染料。
美と醜の対比だと思った。生と死も。

アシェンバッハは一度ベニスを発とうとするが、結果的にそのまま滞在した。
タージオに美しさに憑りつかれただけではなく、息子の死、音楽の挫折など苦悩を抱え、死を怖れつつも死に惹かれている気がした。
あざみ野

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