20世紀後半のミュンヘン、
著名な作曲家グスタフは執筆に疲れ保養目的で行ったベネチアで、
美しい少年タージオに魅せられてしまう…
だんだん見ているだけでは足りなくなり、後をつけたり家族の部屋を覗いたりしてしまう。
しかし、ベネチアにはコレラが迫ってきて…
グスタフには妻子もいて、地位や名誉もあったのに、
そのことをすべて忘れてしまったかのようにタージオを追い続ける狂気があり、
だんだんと妄想と現実の境目も危うくなっていくところがとくに良かった。
しかもこの映画は、実際に原作者の身に起きたことだった。
この美しすぎるタージオは、実在していた。
タージオは、この映画が上映された時にこの映画は自分のことだとわかったという…
ここまで揃って壮絶にエモい映画になっていると思う。
ラストのグスタフの散り方も粋で良かった。