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遠い空の向こうにのiiのレビュー・感想・評価

遠い空の向こうに(1999年製作の映画)
5.0
これを映画と言わずに何を映画と言う。
嗚咽混じるほど泣いた。
炭鉱でヘッドライトを点滅させて働く男たちは確かに夜空に輝く星のようではあったが、夜空に閃光するロケットではなかった。地下に潜る親父と空を見上げる息子。空に打ち上がるロケットには誰にでも目にすることができる煌めきがあり、どこまでも飛んでいくロケットにはその使命や夢や希望がたくさん詰まっていた。ギャンブルで炭鉱を掘るのも人生、空にロケットを打ち上げるのも、またギャンブル。果てしなく飛んでいけどこまでも。

電車の廃線の鉄くずを売却してロケット製作の費用を稼ぐ同級生の四人。廃線だったはずの線路に列車が迫ってくる。これはスタンドバイミーだ、しかし、死体を見つける少年の旅ではない。
果てしない宙、人生に向かって飛び立つ青年四人の旅である。
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