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遠い空の向こうにのstneのレビュー・感想・評価

遠い空の向こうに(1999年製作の映画)
5.0

田舎の、炭鉱夫になるしか未来の無い少年が、宇宙研究コンクールで賞を獲り、NASAの研究員になる。

そんな映画はプロットは違うのだけど、はっきり言ってよくある話だと思ってしまう。はいはい、アメリカンドリームの映画ね、と。

でも、なぜだろう。

そんな眉唾な気持ちで見たいたのに、だんだんと作品に惹かれていく。大団円を迎える頃は、当初のそんな気持ちなど、全くなくなる。
「いい映画を見た」そう思える映画はいくつかあるが多くはない。
この映画は心の中の棚に、そんな気持ちを持って大事にしまって置きたい、そんな作品だ。

この映画に引き込まれていくのはなぜだろうか。
それは登場人物たちに偽りがないからだと僕は思う。

本気でロケットを作る青年たちの姿も彼らの友情も、息子に職を継がせたい親父の想いも、最初はからかい半分で見ていた街人たちの応援も、病気に伏せる先生の言葉も。

セリフはそう多くない映画だけど、そこには嘘偽りがないから、彼らの努力に、また人と人がぶつかる様に、自然と目頭が熱くなる。


偽りがないからいろんなことを学ばせてもらえる。
自分の夢を追うことはどれほど大変か。
家族に自分の想いを伝えることがどれほど怖いか。
世話になった人に感謝の言葉を述べること。
親父にありがとうを言うこと。

本当の瞬間はいつも怖い。
でも自分がしたくないと思ってることは、大抵すべきことなのだ。そしてそれらは大体、人生という短いタームにおいて、とっても大切なことなのだ。

日常に戻れば偽りだらけの世界である。それでもこういう作品を観ると、自分が少し刷新されたような気持ちになって明日に戻って行ける。