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善き人のkiritoのレビュー・感想・評価

善き人(2008年製作の映画)
3.2
【GooD】

大学教授で渋いヴィゴが見れるということで、フォロワーさんに題名を教えてもらい即日みたこの映画…
あれ…重い。
少なくとも軽い気持ちで手にしてはいけない作品だった。


ナチス政権下。
大学教授の主人公はその小説がヒトラーに気に入られ、ナチ党に入り、親衛隊に抜てきされる…
しかし、親友はユダヤ人で…


『善き人』…というなんたる皮肉。
言ってみれば八方美人で流される人。

直接的にはヒトラーは登場しないものの、ナチ党がいかに恐ろしいものであるかは登場人物の対応でよくわかるようにできている。
そして、この映画はヒトラー政権下で起きたことについての最低限の知識は必要だと思う。

献身的な主人公がナチ党に目をつけられることで、病気の母を遠くの施設にうつし、教え子と不倫をし、離婚をし…そして出世していく。

ナチ党に入り一般人が強者の側にまわる。
時代のせいだと言ってしまえばそれまでだが、これは彼だけでなく当時のドイツ人の多くが直面したことなのだろう。
思えばユダヤ人の迫害を望んでいたドイツ人ってどれくらいいたのだろうか…

時折聞こえる幻聴と最後のクライマックスに現実を突きつけられる。
自分が見て見ぬ振りをしてきた現実は収容所に立った時に彼に牙をむく。


彼はこの先どんな気持ちで人生を終えるのだろうか。
いけないのはヒトラーであり戦争であるが、『普通の人』では時代に流されてしまう。

政治はこわいものだ。
民主主義の名の下に知らないところで法案が可決されていく…
『普通の人』ではいけないのだ。

2016.12.24