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リトル・ミス・サンシャインのstneのレビュー・感想・評価

4.3

時に映画はその二時間足らずで、自分の生活に鋭い切れ込みを入れてくれる。
この映画が僕たちに提示してくれるのは例えばこんな言葉だ。

「負け犬とは何か」

人と比べるななんて無理な話だ。自分よりもいい生活をしている人を妬み、自分よりも容姿がいい人に不幸あれと心のどこかで思ってしまうことをやめられないし、やめなくてもいい。

けれど、この作品を観ると、負け犬というのは「今の自分の状況」をいうのではく、そういった自分と誰か比較をし、劣等感を持っている「気持ちの持ちよう」にあるなのだと、はっとさせられる。

言われれば当たり前なのだけど、忘れてしまうそんな言葉はナイフのように確かに鋭い。
でも、その痛みはどこか心地いい。

みんなで押さなきゃ進まないおんぼろな車は、もちろんダメダメ一家のメタファーなんだけど、自分の存在だってそうなのだ。

つまり自分だってあのフォルフスワーゲンのようにおんぼろでダメダメな存在だけど、誰かの手助けを借りて、曲がりなりにも進んでいるじゃないか、生きてるじゃないか、と。

負け犬がなんだと開き直り、家族を再構築していく彼女らを観ていると、そんな気持ちを抱けるようになっていく。

周りの人を大切にし、何でもない自分の何でもない生活が尊いと思えた時、僕たちはもう負け犬なんかじゃなくなってる。