あしからず

ベロニカ・フォスのあこがれのあしからずのレビュー・感想・評価

3.9
ファスビンダーの実質の遺作。
映画界と戦争の影をなきものにしようとする白の暴力がすごい。ナチ時代のUFAのスター女優ヴェロニカは薬物依存の穴に嵌り、数字を刻まれた老夫婦は平和を求めハチミツ茶を飲む。
アメリカの音楽、アメリカの映画会社とあこがれが散りばめられるもモルヒネを調達するのは黒人米兵という大皮肉。
“光と影が映画の秘密”の言葉通りのこだわりで、「シナのルーレット」にも見られた蝋燭や照明の光条やフレアが印象的。
戦後は戦後でしかない。
あしからず

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