みおこし

群衆のみおこしのレビュー・感想・評価

群衆(1941年製作の映画)
3.7
フランク・キャプラ監督作品。バーバラ・スタンウィックお目当てでようやく鑑賞!『教授と美女』以来、個人的に彼女のベストパートナーは、やっぱりゲイリー・クーパーだなと感じてます。

クビ寸前の新聞記者アンは、"ジョン・ドゥー"という架空の人物が世の中の不条理を訴えるべく自殺しようとしている、というデタラメな投書を新聞に載せるが、それがまさかの大反響。ジョンを誰かに演じさせて一儲けしようと新聞社は、元野球選手の男を選出するが...。

1941年、遠い昔のお話なのに現代にも十分通じる群集心理の恐ろしさ。スキャンダルを通して人々の興味を掻き立てて煽った結果、絵に描いたように熱狂する人々。しかし、素性が明らかになればたちまち手のひらを返す...。情報に洗脳される者、そして洗脳しようと試みる者、両者の愚かさをダイレクトに描いた社会派作品でした。

ジョン・ドゥーを演じたクーパーは、最初は朴訥としたごく平凡な男性という印象だったのに、だんだん人々の歓声を受けて箔が付いてくる感じがものすごくリアルで、彼の演技の中でもトップクラスに素晴らしかったです。本人のふとした思いつきが世間を巻き込んだ大事へと至ってしまう、キーパーソン的存在アンを演じたバーバラもハマり役。

スリラーとしても楽しめる一方で、そこはやはりキャプラ節炸裂。ウィットに富んだ脚本も楽しめたし、ラストは思わず目頭が熱くなる痛烈なメッセージが込められていました。
いつの世も普遍的なテーマってあるんだなぁ。後世にずっと残していきたい傑作。