群衆の作品情報・感想・評価・動画配信 - 3ページ目

「群衆」に投稿された感想・評価

2020年38本目

キャプラ作品初鑑賞

メディアや群集心理の描き方は、フェイクニュースや今のポピュリズム的な潮流にも通じるところを感じた。

与えられた役割の枠を超え、自らの信念として自覚し行動する力。思想そのものではなくメディアに作られた情報で物事を判断してしまう付和雷同的な群集。
80年ほど前の作品だけれども、人間のあり方として普遍的な側面を率直に描いた、素晴らしい作品でした。
Nakao

Nakaoの感想・評価

3.5
戦前の映画にも関わらず現在のマスコミ、かっこよく言えばジャーナリズムを予見させるようなストーリー。

でっち上げ記事に捏造。オリジナル不在のまま雪だるましきに膨らんでいく英雄像と群衆達。そしてラストのあの展開。
現代でもまま起こりうる集団ヒステリーをこの時代に撮っていたとは...偽物だったジェンドウが己の信念に目覚めていく様も見ていて心にきます、
フランク・キャプラ監督作品。バーバラ・スタンウィックお目当てでようやく鑑賞!『教授と美女』以来、個人的に彼女のベストパートナーは、やっぱりゲイリー・クーパーだなと感じてます。

クビ寸前の新聞記者アンは、"ジョン・ドゥー"という架空の人物が世の中の不条理を訴えるべく自殺しようとしている、というデタラメな投書を新聞に載せるが、それがまさかの大反響。ジョンを誰かに演じさせて一儲けしようと新聞社は、元野球選手の男を選出するが...。

1941年、遠い昔のお話なのに現代にも十分通じる群集心理の恐ろしさ。スキャンダルを通して人々の興味を掻き立てて煽った結果、絵に描いたように熱狂する人々。しかし、素性が明らかになればたちまち手のひらを返す...。情報に洗脳される者、そして洗脳しようと試みる者、両者の愚かさをダイレクトに描いた社会派作品でした。

ジョン・ドゥーを演じたクーパーは、最初は朴訥としたごく平凡な男性という印象だったのに、だんだん人々の歓声を受けて箔が付いてくる感じがものすごくリアルで、彼の演技の中でもトップクラスに素晴らしかったです。本人のふとした思いつきが世間を巻き込んだ大事へと至ってしまう、キーパーソン的存在アンを演じたバーバラもハマり役。

スリラーとしても楽しめる一方で、そこはやはりキャプラ節炸裂。ウィットに富んだ脚本も楽しめたし、ラストは思わず目頭が熱くなる痛烈なメッセージが込められていました。
いつの世も普遍的なテーマってあるんだなぁ。後世にずっと残していきたい傑作。
41年制作ということですが今も昔も変わらないものですね。是非観賞して各々のジョンドゥを見つけて下さい
カヤ

カヤの感想・評価

3.0
素晴らしき哉人生のフランクキャプラの作品。これまたすごい社会的。
教授と美女のゲイリークーパーとバーバラスタンウィックの最強コンビがたまらない。やっぱりバーバラは底抜けに美しい。
Zealot

Zealotの感想・評価

3.9
コメディ/ ドラマ/ ラブロマンス
新年一作目はキャプラから。

集団の弱さと怖さ、そして最後に強かなしなやかさを著した本作。
中盤少し冗長に感じましたが、ラストシークエンスでのエドワード・アーノルドの演技がお見事。
脅威となり得る男の死を願い、けれど人物として死んで欲しくない、そんな相反する気持ちを表情と静かな口調で表していました。

本年も宜しくお願いします。
QTaka

QTakaの感想・評価

3.8
物語は、フェイク記事で始まった。

発行部数の低迷する地方新聞のリストラが事の発端で。
読者受けする刺激のある記事を求めたあまり、偽の投稿を元に偽のストーリーが始まった。
しかしながら、思いの外、読者受けしていく中で、これを利用しようとする企みが始まる。
嘘に嘘を重ねて、偽のストーリーと、でっち上げられた主人公。
新聞の発行部数とは別に、偽のストーリーが一人歩きし始め、社会現象となる。
ここに、キリスト教的な側面を伴わせるのがアメリカ風なのだろう。
政治も経済も、生活も、全部繋ぐのは教会ってことなのだろう。
この一人歩きし始めた社会運動自体は、宗教的教義にも叶うものだろうし、それとして、ほんとうに別の話としてうごきはじめたようにおもえるところで、この偽ストーリーの生みの親たちが本性を出し始める。政治利用である。
お金と権力に溺れた老人たちにとって、社会とはこれらを手に入れ、安住の地を確立するための道具に過ぎないということか。
既に市民運動として独り立ちしたかに見えた運動も、この影の演出者たちによって、打ち砕かれる。
都合の悪いことは、無かったことにするそういう力の使い方なのだろう。

ラストシーンまでは語らない。
ただ、この映画のストーリーは、大方、最近目にした事と重なってくる。
事の発端でフェイク記事が登場するところなど、まるで現代のインターネット社会を予想していたかのようだ。
一方、市民がそれらの記事、情報に踊らされ、行動し始めるのは、なにも今日インターネット社会だからということでもないということに気づく。
アメリカの、ハリウッドの映画が、’40年代にこんな世界を描いていたなんて、驚きです。
Nao

Naoの感想・評価

3.5
新聞記者が架空の自殺志願者ジョン・ドーを創り上げ、成り済ますこととなった男性が民衆に祀り上げられていく。マスメディアの煽動と苦悩。結構ジョーカーに近いと思う。