群衆の作品情報・感想・評価・動画配信 - 5ページ目

「群衆」に投稿された感想・評価

H

Hの感想・評価

3.5
表のテーマは「群衆」だが、裏のテーマは「自由」。ジョンの友達が物語の前半部で「金を持っているとみんな悪魔になる。持っていなければ親切さ。所有しなければ自由だ。」というようなことを言っている。ジョンも何も持たなかったからこそ、自由な精神を持っていた。人々の下心が生まれるところに自由は生まれ難い。ジョンは金を求め始めたことで、自由を失ってしまったのである。群衆や群衆を操る者たちを見て、ひとり呆れていたのがジョンの友達だったことも、興味深い。

新聞社の社長が言うように、アメリカには表現の自由があり、その自由が政治利用されるのは納得のいかないものだ。だからこそ、ヒロインだって政府批判の投書を書ける(その投書は物語を駆動させる)。だが、何でも自由に言えることや、何を信じても自由なことだけが真の自由なのだろうか。自由な精神というのは、物事に踊らされない真っ直ぐな眼差しなのではないか。そう、この作品は問うている気がする。この物語はジョンが無意識に持っていた自由な精神を一旦失い、意識的に取り戻す物語でもあると思う。自身と他者をまっさらな目で見られた時、人生は本当に意義深いものになる。だから、最後ジョンは死ななくて良かった。ジョンの不思議な眼差しは、人間を見通せそうな眼差し、自由な精神に向かう目であると私は思う。

人々の欲望の受け皿という点で、ジョンと現代のポップスターは共通する。人々はスターのペルソナを崇拝し、スターはペルソナと同一化する喜びと葛藤を味わう。スターとして生きる人はみんな偉い。私たちは彼らに欲望を投影する自分の姿を顧みなければならない。そうすることで、「群衆」のレッテルを破ることができ、自身が紛れもない「個」だということを証明できるのだから。
yokioubt

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5.0
フランク・キャプラの隠れた名作
KentF

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4.2
“Be a better neighbor”
大恐慌の30年代を抜けた1941年、企業に翻弄される市民に放つエール。国すなわち市民。米国の愛国心を垣間見る。ここから大戦を経て、同じく聖なる日を軸としたIt’s a wonderful life (1946)へ。二作品の相違が時代を映す。
熱弁をふるい、時に目線で語るB.Stanwyckに恋をする。金と夢と女の間で惑う市民John Doe。

邦題が陳腐で一面的。
尊厳を説き、陥れられる空想の人物、John Doeは、各々の中に潜む。主題は単に扇動される集団ではなく、覚醒する市民一人一人。
azkyon

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3.8
久しぶりのキャプラ監督だけど、まだこんな素晴らしい作品があったのだ!
「群衆」ってタイトルがぴったりだった。
人は集団化すると怖い。
ひとりひとりに信念というものがないと集団の中で白が黒になったり、黒が白になったり、いったい何が正しいのか、誰が正しいのかさえ分からなくなることさえある。
これは70年近く前の作品だけど、人間界というのはいまだに変化はないようだ。

ものや金ではない、心だ、愛だというメッセージ性の強い作品が目立つキャプラ監督を理想主義者だと毛嫌いする人も多いようだけど、私はそこにはまる。
人間関係や日々の生活に疲れている時に見ると生き返るような気がするのだ。
かめの

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2.9

このレビューはネタバレを含みます


時代が時代だし仕方ないけど、キャプラ監督はいつもどこか教訓的。

中盤は最高に良かった。特に、夢の話を語るところ。この時代のハリウッド映画男性って少し高圧的というか、「男らしさ」を体現してるような人物が多いイメージだけど、ジョン・ドゥーは情けなさ、自信のない感じが素敵に見える。

たいした戦略なく彼女の父親になった夢を話すところや、彼女の母親にそれとなく伝えてもらうところなんて、大の大人が可愛らしくみえてくるから不思議。しかも、それがゲーリークーパーときた!!

でもって、ラストシーンは皆さんと同じく不満あり。でも、「いや、死んどきな」って思ってしまった私は無意識に革命には死がつきものと考えているのかもしれない。そういう思想は危ない。死なずとも革命は達成されうるのだから。

でも、女の人に「愛してるの」と言わせるのはやっぱりズルくない?
nodoka

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4.0
某子先生に勧められたのを、やっと。
メディアに踊らされる群衆。集団ヒステリー。
目頭熱くなってくる。
観て良かった。
また鐘鳴ってたね。
T

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4.0
大衆の愚かさは、ジョン・ドウの最後の表情から見ても明らか。キャプラはわかってたから、その後プロパガンダ映画を作った。
monaminami

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4.1
いつの世も変わらない世間の縮図。やんや、やんや!とする民衆が一番弱くて罪深い。
お友達の"大佐"の吐く名言がソローみたいで良い、けどフランク・キャプラにしては色々弱め?
otom

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4.0
あらゆるイデオロギーも蓋を開ければこの世は利用する側と利用される側で成り立っている。キリスト教的終局地点の隣人愛と云えど太古の昔から散々利用されてきている訳で、迷える子羊達は自由を差し出した上で躍らされ続ける事を選ぶそんな世界。それでも尚、くすぶる群衆の火を絶やさず理想に近づきたいってのも分かるけど、『汝の敵日本を知れ』の前ではちょっと説得力減るかなぁ。ラストがフニャっとしていたし。でも「新聞を読まなくても世の中が腐っているのは知っている」って台詞は良かった。所有する事が自由からの悪循環を生み出すってのもまさにその通りだよね。
tokio

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3.2
Rec.
❶19.05.28,rd