えびちゃん

厳重に監視された列車のえびちゃんのレビュー・感想・評価

厳重に監視された列車(1966年製作の映画)
4.0
ものものしいタイトルだけどほのぼのドラマ〜!かと思いきや、しっかりばっちり戦争の暗い影が落ちていた作品であった。
駅員の少年の童貞喪失劇と同時並行して描かれるナチスドイツのチェコ侵攻、チェコとスロバキアの対立。ほのぼのとシリアスの落差が激しい。
辛く厳しい時代にあっても、人々の生活は日々営まれ、そのなかで生まれるどうでもいいことに悩むなんてこともあるだろう。早漏で死ぬほど悩むのかわいいね…他にもっと悩むところありそうだけど、若者にとってはせいしをかけた一大事なんだよね。きっと。

ユーモラスでシリアスというやじろべえみたいな感覚に浸ることができて楽しい。間の取り方やナイスな反復とか、とてもいい塩梅で心地よかった。イジー・メンツェルという監督に出会えて嬉しい、もっと観たい!と思ったけど、9月5日に亡くなったそうです。
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