英国外交官ロバート・コンウェイ達が乗り込んだ飛行機の操縦士はいつのまにか別人にすり替わっていた。
そして辿り着いたのは“シャングリラ”
ここは理想郷と呼ばれている———
シャングリラはシンプルなルールで成り立っている。
・相手を思いやること。
例えば自分のパートナーの事をどうしてもどうしても好きだ、という人が現れたら自分が身を引く精神。らしい。
「相手を思いやる」ことは滅私の精神が必須だと思うし、私はそれが美しいとも感じる。
でも、やっぱりパートナーの件はオカシイって思っちゃう。
ここの線引きは人それぞれだ。
電車で座るべきなのは年配の方よりも仕事で疲れた自分の方だと考える人も世の中にはいる。
どこからが“オカシイ”のか。
突き詰めていくとシャングリラ以外は全てオカシイような気がしてくる。
そしてシャングリラでコンウェイは言う。
「オカシクナイから混乱する」と。
この映画(原作はあるけど)の大好きなトコはシャングリラの精神を“失われたもの・懐かしいもの”として表現する所だ。
シャングリラを本当の意味で別世界として描いている訳ではない所。
みんな元々持っているものなんだ、というメッセージ。
だから混乱するんだろうな。
心の奥底で知っているから混乱する。
私は、葛藤するから人間は美しいと思うので
シャングリラが完璧な世界だとは思わない。
それでもシャングリラを思い出そうと
葛藤し混乱する姿はとっても美しいと思うのです。