湯っ子

秘密と嘘の湯っ子のレビュー・感想・評価

秘密と嘘(1996年製作の映画)
3.9
この作品のお母さんみたいな人を実際に知っているので、終わり方はちょっと、こんな風にうまくいくかなぁ、と疑問だった。こういう過去がある女の人を完璧に描写していたように思う。私の知っている女性も、こんなふうにか細い声で話し、優しげに見えるけど、それは優しさというよりひとの優しさや憐れみを求めているんじゃないかな、と思える人。でも、映画にするなら現実よりもちょっと良い結末にしたくなる気持ちもわかる。彼女と暮らしていた方の娘のありようと、養女に出された方の娘のありようの差はとても残酷だった。そして、この家族の中の唯一の救いと思われる、彼女の弟がハリーポッターのワームテールだったことに驚いた。

新年一本目のこの作品。脚本を作らずに、役者と即興で作り上げていった、ということに興味があって、ずっと観たかった。配信にきたのでさっそく鑑賞したけど、ちょっと選択を間違えたかな。現実のことの方を思って切なくなってしまった。
でも、映画じたいの後味は悪くなかったし、見応えのある作品であるのは間違いないです。
湯っ子

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