さりさり

秘密と嘘のさりさりのレビュー・感想・評価

秘密と嘘(1996年製作の映画)
4.6
ここ何日かで立て続けにいい映画を観た。
家族の絆が心に沁みる問題作ばかりだ。
今作もそう。

フィル友・けーなちゃんのレビューを読み、高評価のスコアを見ただけで鑑賞することを決めた。
前情報は一切なし。
ああ、でも間違いはなかった。
ラストの畳みかけが素晴らしく、涙が止まらなかった。

秘密と嘘で固められた家族たち。
一緒にいるのに心はバラバラ。
もっと強く繋がりたいのに、ズレてしまった歯車は噛み合わない。

秘密と嘘から解放された時、それぞれの目に見えたものは何だろう。
許されたかったわけじゃない。
心の重荷を下ろしたかっただけ。

秘密を持つから人は傷つく。
嘘をつくから許せなくなる。
登場人物のあるセリフが心に残った。

「真実は誰も傷つけない」

殻に閉ざされた真実を口に出した時、人は本当に許し合えるのかもしれない。

*****

観終わったあと、この映画は脚本なしの全てアドリブで撮影されたということを知りました。
驚き!
だから出演者の表情があんなにもリアルだったのか!
あの出会いのシーンとか、あのバーベキューパーティーとか、なるほどなるほど、めちゃくちゃ自然だったもんなぁ。
それを知って、もう一度最初から観直したくなりました。
そしてもう一度、心ゆくまで泣くことにしよう。
さりさり

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