桃子

イン・マイ・スキン 人には言えない、私が本当にしたいことの桃子のレビュー・感想・評価

4.0
「サインと握手をもらった映画監督」

今から17年前、2003年にフランス映画祭で初見。強烈な内容の映画なのでさすがに見たことは覚えていたが、詳細はすっかり忘れていたので宅配レンタルにて鑑賞した。この映画は動画配信にはなかったのだ。
映画祭では、上映中に席を立ち、会場を出ていく人がかなりいた。知らなかったけれど、医務室に行く人が続出したそうだ。私はこういう映画は平気なので、最後までしっかりと見させていただいた。今まで上映中に途中でやめて外に出たことはただの1度もない。映画は最後まで見ないとわからない。これは私の持論である。
上映後に列に並んで、マリナ・ドゥ・ヴァン監督に短い言葉をかけ、握手してもらい、パンフレットにサインをもらった。彼女は女優さんである。監督と脚本と主演をこなしていた。至近距離で見る女優さんはオーラが半端なくて、ため息が出てしまうくらいだった。たしかサイン会の前には会場で質疑応答があったと思うけれど、そっちの方は全く記憶にない。
ちょっとしたきっかけから、どんどんドツボにはまっていき、壊れていく主人公。不気味でグロテスクだけれど、狂気そのものがエロティックで美しいと思った。
それにしても、初監督作品とはとても思えない。それと、よくもまあこんな過激な映画を作らせてもらえたものだ。映画だから作り物だと頭ではわかっていても、映像をつきつけられると心にじわじわとくる。ドゥ・ヴァン監督自身の経験を元に作られた映画だという。
非常に風変りなホラー映画なので、流血が苦手な人は絶対に見ないこと。

今年のフランス映画祭はどうなるのか気になって公式サイトを見に行ったら、やはり6日前に中止のお知らせが公示されていた。楽しみにしていたので、残念でたまらない。来年こそ!!

2003.6.18から22の間 フランス映画祭会場にて鑑賞
2020.4.17 宅配レンタルDVDにて鑑賞
桃子

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