つかれぐま

ガメラ3 邪神<イリス>覚醒のつかれぐまのレビュー・感想・評価

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アナログ特撮を極めることで始まった3部作が、CGとの幸せな融合で完結。そして「あのアニメ」との素晴らしきシンクロニシティ。

前2作をメタ視しながら、研究者と被害者、そして大人と子供という相反する二つの視点で進む。いよいよ完結するんだという期待感高まる前半だが、ガメラが闇落ちしたかのような渋谷破壊描写で、一体この物語がどこへ向かうのか?カオス状態に。

イリスと少女・綾奈の融合を見て悟る。
「これは、エヴァンゲリオンだ。」
過去2作からも、当時並走中のエヴァとのシンクロ感が僅かに感じらたが、ここからの本作はシンクロ率99%。案の定、イリス第3形態は使徒そのものの美しさ。綾奈はつまり「綾波」。ガメラが浅黄とシンクロしなくなった理由とかも、深読みするとすげー「気持ち悪い」。

樋口”シンジ”特技監督が、エヴァの重要な作り手の一人であることを考えれば、むしろ必然の結果なのかもしれない。京都へ向かうイリスvsガメラvs空自の空中戦は、当時のCG技術では最高レベル。アナログ特撮の到達点を見せた本シリーズが、遂にCGと融合した。これはガメラ&エヴァのシンクロと、アナログ&CGのそれが同時に完遂される見事な場面。

イリスを倒してからが「本当の闘い」というクライマックスは、エヴァ旧劇場版の不満点を補完するようでもあり、ガメラとエヴァ双方のファンが納得するんじゃないかな。公開当時は賛否両論だったと聞くが(エヴァが完璧な完結をした)今観るとその面白さが良く解る。

G2で「最高の戦争アクション」を見せたシリーズが、叙事詩として幕を引いた「最高の完結編」。