先に言っておくと結構おバカな脚本ですよ。でも個人的には割と好きな映画でした。
娘を人質に取られ、90分以内に州知事を暗殺しなくてはならなくなった男の戦いを描くサスペンススリラー。
『24 -TWENTY FOUR-』のようなリアルタイム形式で物語が進んでいきます。
ごく普通の男が偶然にも大きな陰謀に巻き込まれてしまうというドラマチックな展開はなんだかヒッチコック映画っぽくて好み。
けど、本作の悪党の計画はかなり杜撰です。
悪党は駅でたまたま目をつけた主人公の男を暗殺計画の実行犯に仕立て上げようとします。
全然下調べとかはしてません。
もし男が警官や凶悪犯だったらどうするつもりだったんでしょうか。
まったくのド素人に拳銃を持たせたところで簡単に暗殺なんてできるはずないし、逆上して自分が撃たれるリスクもあるはずです。
罪を被せるために下手人が必要なのかと思いきや、悪党は主人公がちゃんと暗殺計画を実行するかどうかつきっきりで監視しています。
現場でも目撃されまくりだろうし、それならもう自分でやっちゃえばいいじゃん。
いみじくも劇中で指摘されているように、これってプロの狙撃手をひとり用意するだけで簡単に済んだ話なんですよね。
綿密に用意されたやけに大掛かりな計画なのに、肝心の殺しの部分だけなんでこんなに行き当たりばったりなんでしょうか。
主人公は主人公で、監視されてるのにもかかわらず無警戒に周りの人に助けを求めようとするし。それじゃ娘殺されちゃうよ！
他にも挙げだすときりがないぐらい突っ込みどころに溢れているのですが、若かりしジョニー・デップ演じる主人公のいたって真面目でシリアスな雰囲気はなんだか面白いし、このあとどうなるんだろうというドキドキ感もあって最後まで楽しめました。
上映時間もそんなに長くないのでサクッと観られるのもポイント高い。
なんとなく暇だなーって時にゆるく見るにはオススメの作品ですよ。
まだ観てない方は是非ご覧になって一緒に靴磨きのおっさんの大活躍を見届けましょう。いやほんとにあのおっさん段取り良すぎ。
