<概説>
古風な全寮制女学校の中で展開される、生徒と女教師の愛の物語。ひどく保守的な教師陣の迫害に屈することなく、彼女達は互いを尊重し続けることができるのか。
<感想>
「「「百合〜〜〜!!!」」」
ひどい俗な感想が第一声。
これを1931年に作っていたって凄いですよね。
ただやはりそこは1931年。現在とLGBT観も違いますから、娯楽的人情映画以外の見方をしてみればこれまた面白い。
物語の主眼は基本的には二人。
マヌエラとベルンブルグ先生。
これはいまさら強調するまでもなく主演の二人。
ただこれを愛という理念の物語として見るならば、さらに三人目、校長にも主眼を向ける必要性があります。
つまり若者・大人・老人という三段階の愛による物語。
若者は愛を渇望し
大人は愛を与えるようになり
老人は愛をいつしか見失っている
これは平易に言うならば年々愛に希望を抱くことができなくなるという話ですから、100年経ってもこの侘しさは変わらないものなのだなと、ちょっと世知辛さを感じてしまいます。
ただだからこそ人類等しく愛に希望を抱き続けようということを言いたいのやもしれませんが。私は渇望する側なので、その領域にはまだまだ程遠いですね。