Jeffrey

黒い肖像のJeffreyのレビュー・感想・評価

黒い肖像(1960年製作の映画)
3.0
「黒い肖像」

冒頭、ここはサンフランシスコ港。大型船が見える。海運業界の大物の男、彼は嫉妬深く我儘な暴君だ。下半身不全、彼の殺害計画、あらゆる登場人物、主治医、顧問弁護士、妻、娘。今、殺人計画に揺らぎが起こる…本作はブロードウェイ上演のサスペンス・メロドラマの映画化でアイヴァン・ゴッフとベン・ロバーツ原作をマイケル・ゴードンが監督した作品で、今まで円盤化されておらず、この度シネマライブラリーからBDが発売され購入して初鑑賞したが面白い。主演はダグラス・サーク作品に出演しているラナ・ターナ。

さて、物語はサンフランシスコの海運業界の大物マシュー・キャボットは嫉妬深くわがままな暴君だ。病床につきっきりの身にもかかわらず、事業の一切を外に譲るつもりはない。美しい後妻のシーラはいつしか夫の主治医デビット・リヴェラと道ならぬ関係に陥り、一緒になる日を夢見ている。また顧問弁護士のハワード・メイソンはキャボットが死んだら彼の会社と妻を乗っ取ろうと企んでいる。それぞれの思惑が交差する中、リヴェラはシーラと共謀して自然死と見せかけキャボットを殺害。しかしシーラが受け取った弔文の中に殺害計画の成功を祝すと言う文面を発見。完全犯罪を目論んだ2人の計画は、メイソンやシーラの継娘キャシーを巻き込んであらぬ方向へ展開していくのだった…と簡単に説明するとこんな感じで、やはり主演のラナ・ターナーがセクシーすぎてたまらない。そして名優アンソニー・クインとの共演によるサスペンスに満ちたメロドラマも素晴らしい。

やはり見せ場の多い展開があるサスペンス映画と言うのは持続して楽しめるものだ。あの緊張感あふれる室内劇…たまらないし、野外での緊迫感あふれる殺人行為の瞬間もドキドキするし。一転二転と邪魔が入ったり、画期的な演出が素晴らしかった。あの列車のシーンで、パトカーがやってくるスリリングな感覚も最高やし、手紙を息子に朗読させられてしまい、殺人計画がバレてしまっていると言うあの驚きに満ちたラナの表情も印象深い。
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