七沖

スティングの七沖のレビュー・感想・評価

スティング(1973年製作の映画)
4.6
〝いっちょカモろうぜ〟
詐欺を生業にしているフッカーは、ある日マフィアの上納金をそうと知らずだまし取ってしまう。マフィアの報復によって師匠ルーサーを殺され自身も終われる身となった彼は、ルーサーの親友で伝説的詐欺師のゴンドーフを頼るが…というストーリー。

いやいや、こんなの普通に騙される!
マフィアをカモる詐欺師の話なので、観ているこちらもマフィアを騙して「いいぞいいぞ…」とほくそ笑んで楽しんでいたはずが、いつのまにか観客側も騙されている…!くやしい(笑)

ポール・ニューマンのイケオジぶりが際立っており、とにかくスーツ姿がかっこいい。そして、青く鮮やかな瞳に引きこまれる。なにげにこの作品で一番印象に残っているのはニューマンの双眸かもしれない。
ロバート・レッドフォードは年を取ってからの渋い容姿の方が馴染みがあったが、この作品は当然のことながら若い。ブラピ似だと思ったが、よく考えたら逆か。ブラピがレッドフォードに似ているのか。ブラピももう20年くらいしたら今のレッドフォードみたいになるのかな。

ラストで一気に色んなことが動くので、一瞬も目を離せない!
舞台もある程度固定されていてそこまで予算のかかっていない映画のように見えるが、抜群に面白かった。
やっぱり映画の面白さは派手な映像やアクションではなく、ストーリーと人間ドラマなんだな。

そして、今作の魅力はなんといっても音楽「ジ・エンターテイナー」!
この楽曲のおかげで、復讐の話ながら重たい気分にならず観ることができた。
ラストも長々引っ張らず、あっさり終わるのも良い。いい映画観たな、という爽やかな余韻が残る名作だ。
七沖

七沖