ファムファタル的な映画を手当たり次第漁っていた当時、一番衝撃を受けた映画。後にああこれこそあのソフィア・コッポラのデビュー作かと、奇妙に納得。
原作はジェフリー・ユージェニデスの『ヘビトンボの季節に自殺した5人姉妹』。実際に実話をもとにしているとかいないとか。
1970年代ミシガン州。地域で有名なリスボン家の美人5人姉妹。
モテ男トリップ・フォンテインが、自分になびかない姉妹の一人ラックスに惹かれてゆき、彼の視点、および彼女たちに関わった他の思春期男子目線で描かれるこの映画。
綺麗で謎めいてて、いずれもっと美しく成長して欲しいものなんか全てを手に入れられそうな女の子たちが、次々に命を絶ってしまう理由が、最後まで全くわからない。
でも、わからないからキラキラと謎めいたまま、永遠に彼女たちは歳をとらないんだろうな、とも思う。ティーンエイジャーの憂鬱と閉塞感を綺麗な鍵で閉じ込めて金色の魔法の粉を振りかけるソフィア・コッポラ、流石です。