エアール

エンゼル・ハートのエアールのレビュー・感想・評価

エンゼル・ハート(1987年製作の映画)
3.7
アラン・パーカー監督が放つ、
ミッキー・ローク × ロバート・デ・ニーロ共演のオカルト・ミステリー。
”悪魔のバイブル”、なんともいい響き。

デ・ニーロの押し殺した芝居がなんとも不気味 笑
この世の者ではない、どこか人間を超越してる雰囲気を醸しております。
それから人捜しを依頼される私立探偵にロークが扮しております。
行く先々で起こる奇怪な殺人に翻弄されてんてこ舞いです。
シャーロット・ランプリングも出てますけど
そっちより強烈に印象に残ったのはリサ・ボネット!!
当時まだ20歳前後かと思いますがどことなく漂う妖艶さと思い切った芝居で魅了してくれますよ〜。

全体としては
オチが読めてしまうあたりが残念ではありますが
演出も含め作品として割と好きな方です。


1955年 ニューヨーク ブルックリン
私立探偵のハリー・エンゼルことローク。
保険調査や離婚といった、決して大口とは言えない事案をこれまで主に扱ってきた彼のもとに一本の電車が
ーー相手は名の知られた弁護士からで
自分の依頼人からの調査依頼を引き受けてほしいというもの。

早速、依頼人であるルイス・サイファーことデ・ニーロと直に会い話を聞くエンゼル
ーー依頼内容は人捜し、
12年ほど前、その人物、名前はジョニー、本名はリーブリングは大物歌手であったが
歌手をやめたいと願う彼を援助したルイス
ーーただし条件付きで…
死んだ場合に限り無効となる、とある契約を交わしたという。

その後
戦争のために戦地へと駆り出されたジョニーだが
そこで頭と顔に重傷を負う
ーー帰還後
ルイスの紹介で個人経営の病院へと身を移すも
戦争神経症のため記憶はあいまいに、
顔面は整形による再建術が施され、
かなり過激な精神療法が行われたらしい
ーー手術後、彼は昏睡状態に陥り
意識が戻ることはなくベッドで寝たきりであると医師から聞かされた…

交わした契約のこともあるし、
ジョニーの生死についてはっきりさせておきたい。
ジョニーに会って確かめてきてくれ、と
ーー探偵依頼料が大金ってこともありこの一件を引き受けるエンゼルだが
ジョニーが入院しているはずのハーベスト記念病院へ向かうと
彼はおらず、書類上では’43年に他の病院へ転院となっていた…

だが転院先の病院へ問い合わせるも
そんな患者は知らないし、記録にもないという。

当時 ジョニーの担当医であるファウラー
ーー残念ながらヤク中ですけど 笑
のもとを訪ねると
12年前にケリーと名乗る男と若い女がジョニーを車で連れ去ったとか
ーーしかもジョニーは植物人間などではなくすっかり回復していたそう、記憶喪失ではあったが…
ーーケリーから
この件に関して一切他言しないこと、
それからジョニーが病院に入院しているように装うこと
を依頼されたファウラーは
大金と引き換えに引き受けた
ーーようは買収されたってことやね。

他にも手がかりを聞き出したいエンゼルだが
一時留守にした合間にファウラーは頭をぶち抜かれ死んでしまう
ーー彼の手には拳銃が握られ自殺のようにも見えるが…

あとで警察が死体を発見すれば
自分のところまでたどり着き
容疑者として疑われるおそれも…

サイファーに再び会い
リスクについて、これ以上関わりたくないことを理由に調査の辞退を告げるエンゼルだが
依頼料にさらに上乗せすると言われ
大金から渋々調査の継続を決断する。

情報源を利用し
ジョニーと関係があった人物らの名前をつかむ
ーー当時彼が所属していた楽団と楽団員、バンド仲間のギター弾き&親友、呪いに興味がある元婚約者、あやしげな薬局を営む秘密の愛人と娘の存在、…

ジョニーを見つけるために関係者へ会うべく
ニューオリンズやルイジアナへと赴くエンゼル。
がそこでは既に故人となっているなど悪い知らせ、危険な宗教、生存してる関係者が次々と遂げる奇怪な死、怪しい”魔術”と儀式、生贄と魂、
なんとも薄気味悪く、あまり関わり合いになりたくない出来事の連続が待ち受ける。
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