コーカサス

エンゼル・ハートのコーカサスのレビュー・感想・評価

エンゼル・ハート(1987年製作の映画)
4.7
時は1955年―。
私立探偵エンゼル (ローク) は、ルイ・サイファー (デ・ニーロ) と名乗る男から戦前の人気歌手ジョニーの行方調査を依頼され請け負うが、捜索を続けるうちに次々と惨殺事件に巻き込まれていく。

あのスティーブン・キングを以てしても「不可能をやり遂げられてしまった」と云わしめたウィリアム・ヒョーツバーグの原作「堕ちる天使」を、『小さな恋のメロディ』(脚本)や、『バーディ』『ミシシッピー・バーニング』のアラン・パーカー監督が見事に映像化。

心臓を抉られ殺害されるシーンでは外科医の教材用心臓に牛の血をしたたらせ、またクライマックスでは牛の血を2トンも使い、何度も繰り返し撮影されたエピソードは有名だ。
またデ・ニーロが演じたサイファー役にはマーロン・ブランドも候補に上がっていたという。
もしブランドが演じていたら、サイファーという男の印象、さらには作品自体の印象もかなり変わったかもしれない。

そして何と云ってもミッキー・ロークである。
今思えば、彼ほど“50年代”が似合う男もいなかったように思う。
身すぼらしい50年代の衣装を纏い、ひとり深夜にダイナーでキャメルをチェーンスモークする彼は本当に格好良かった。(ちなみに『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』ではマルボロを愛煙)

ミッキーファンとしては『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』と本作『エンゼル・ハート』はどちらも甲乙付けがたく、既に所有するDVD『イヤー・オブ・~』に続き、先日こちらもブルーレイを購入。
ちなみにこのブルーレイだが、驚くことに通常字幕版のほか、筆者が当時ビデオテープに録画して今も所有する1989年7月1日テレビ初放送「ゴールデン洋画劇場」吹替え版と、 1991年1月27日放送「日曜洋画劇場」吹替え版の《計3本》が収録された“優れもの”であるということをここに記しておこう。

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*記録ノート記入漏れ 1989/7/1