らんらん

丹下左膳のらんらんのレビュー・感想・評価

丹下左膳(1963年製作の映画)
3.0
お馴染みの時代劇丹下左膳を松竹が丹波哲郎主演で映画化

この映画ずっと見たかったんだよねー、山中貞雄版のを見て以来丹下左膳が好きで、大河内伝次郎、大友柳太朗、中村錦之助、果てはトヨエツや獅童のも見てたり

で、この丹波哲郎の丹下左膳は失った目と腕が逆ってのも知ってて、その物珍しさからも一度見てみたかった作品(確か丹波哲郎が右手使えないと動きにくい!みたいな言って逆にしたとか聞いたことが)

そして松竹で時代劇ってのもなんか珍しいと思う、おまけに現代劇のイメージの強い笠智衆や田村高廣(両者ワンシーンのみ)が出演してるのも珍しいかと

ストーリーの方もまた斬新だった
日光改修造営、柳生家、埋蔵金に源三郎、萩野、お藤とお馴染みの設定、人物が登場するんだけどオリジナル要素も多い
一番大きいのは苔猿の壺が出てこない点、代わりにケンウン丸とかいう刀に秘密が隠されている設定
その刀にはいろんないわくがあって丹波哲郎が丹下左膳と源三郎の二役しているのにもうまく利用してます

ネタバレすると埋蔵金のありかを示すのはケンウン丸一振りでは足りず、もう一振り対となる刀コンリュウ丸が必要なんだけど現在は所在不明
そのコンリュウ丸がかなりのキーアイテムで財宝のありか、柳生家と丹下左膳の因縁をも語る

丹波哲郎の丹下左膳なかなか良かったです、利き手が逆ってのはあまり気にならない
大柄な丹波哲郎が片腕でぶんぶんと振り回すパワフルさ、大柄なのにぴょんぴょん跳ねるような動き、とにかく動きまくるアクションが良かった

残念な点はその他の出演者が弱い、印象に残らない
名前だけなら鰐淵晴子、瑳峨三智子、東野英治郎、河野秋武、笠智衆、佐々木孝丸、田村高廣、三島雅夫、名和宏とか有名どころが出てるんだけどなんか地味
北竜二や園井啓介あたりが主要キャラな時点で弱いもん
ストーリーはそんなに悪くないと思うんだけど、出演者の魅力を感じなかった
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