なんて、厳かなのでしょう。
アイスランドの自然が醸し出す神秘性ということもあるのだと思います。
老いること、死ぬこと、孤独になることを考えさせられる。それでいて、ふっと心が温かくなる絶妙なファンタジー感。
妻に先立たれ、古い写真を燃やし、愛犬を手に掛け、時計を持ち、都会の娘夫婦の家にいく老人。そこで家族にうとまれ、老人ホームに入れられる。偶然にも幼馴染みの女性もそこに。
2人はスニーカーを買い、手をつなぎ、車を盗み、逃避行へ。今は誰も住んでいない二人が暮らした故郷の村を目指して。
丘の上の白い教会。
賛美歌。
海辺を裸足で歩く老人。
ブルーノ・ガンツの天使。
光と水と霧と、最期は美しい自然へ還る。
とても静か。心が洗われる。監督の愛国心に満ちあふれた作品です。
アイスランドは妖精を信じる国というのも、美しい景色を見ると深く頷けます。
言葉にならない余韻が渦巻いてます。