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暴力団/ビッグ・コンボのBOBのレビュー・感想・評価

暴力団/ビッグ・コンボ(1955年製作の映画)
3.8
『拳銃魔』で知られるジョセフ・H・ルイス監督のもう1つの代表作。

4年にも及ぶ懸命な監視も虚しく、上司から捜査の打ち切りを命じられたダイヤモンド刑事が、犯罪組織のボスMr.ブラウン逮捕に奔走する。

"A woman doesn't care how a guy makes a living, just how he makes love."

追う刑事視点で描かれた、男前なクラシック・ギャングノワール。

フィルム・ノワール映画の形式美みたいな要素を全て兼ね備えている。陰影のはっきりしたスタイリッシュなモノクロ映像に、危険な香りがするセクシーなジャズという鉄板の組み合わせ。調べたところによると、本作は『巴里のアメリカ人』でアカデミー撮影賞を受賞したシネマトグラファー、ジョン・アルトンの最高傑作との呼び声が高いようだ。

空港の格納庫で繰り広げられる、深い霧と車のライトを巧みに利用したクライマックスが素晴らしい。2人が霧の中に消えていく『カサブランカ』のようなラストカットも美しい。

補聴器を利用した無音の射殺シーンと、びっくり箱方式の爆弾による粛清シーンは、今見ても尚鮮烈なヴァイオレンス描写だった。

『ゴッドファーザー』バルジーニ役でお馴染みのリチャード・コンテが、狡猾なギャングのボスMr.ブラウン役で、主役の座を食ってしまう程の存在感を放っている。Mr.ブラウンの手下の1人には、若き日のリー・バン・クリーフ。見るも哀れな最期を遂げる。

英語字幕での鑑賞による弊害は否定できない。英語力の欠如により、やや理解にラグが生じ、そのことがこの評価に留まってしまいるが可能性ある。

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