何度観ても、切なく愛しい物語。
両手がハサミとして生まれてきたエドワードが、人間界を知ってはじめて人の暖かさ、人を愛することを知るんです。
そのエドワードの表情が、なんとも言えないくらいときめいていて嬉しそうで、
見ているこっちまでホッコリします。
これが差別も偏見もない理想な人間模様だなと思わせてくれた。
しかし理想は理想なままで終わる。
人を愛すること、人に思いやりをもって優しくできるエドワードの純粋な心を人間たちは平気で踏みにじるのが本当にやるせない気持ちになった。
両手がハサミという外見だけで面白半分に近づき、植木の手入れや、ペットや人のカット、自分たちのメリットのときだけ利用して都合が悪くなると怪物呼ばわりして追い出す。
両手がハサミというだけで、普通の目が悪いとか、耳が悪いとか、腰が悪いと何が違うのだろう。
誰だって体の一部に障害はあるし、自信のないコンプレックスな部分はあるはずだ。
障害者の一人として、共感できるとこも多かった。
そもそもシザーハンズというタイトルからして、外見だけで見ている気がしてならない。
シザーハンズではなくて、本来はエドワードなのだ。
障害があるとかないとか、肌の色が違うとか違わないとかそんなことではなくて
大切なのは内面なんです。
それをティムバートンは上手く表現できていた。
やるせないけれど、どこか優しい気持ちになれる、雪が降ると思い出してしまう大好きな映画です。