このレビューはネタバレを含みます
(^O^)優しい世界と非情な世界!
不気味ながらも愛嬌あるティム・バートンワールド!
すごく有名な作品でずっと気になってはいたものの、全く手が付けられていませんでした。
そして、この作品のジョニーデップの演技、本当に凄いですね。不気味ではありつつも実際はとても人間らしさ溢れるキャラで、表情も多彩。好きですね。
今回はこの作品を「明暗」「ジム」「愛」の3点に注目してレビューしていきたいと思います。
「明暗」
この作品はエドワードを囲む世界観の雰囲気が前半と後半でガラッと変わるんですよね。その切り替わりが見事というかなんというか。
前半は、とても優しい世界が展開していきます。そのハサミの手から繰り出すヘアアレンジや木の手入れなどで一躍街の人達の人気者になります。ジョイスにいたっては彼とヤろうとするぐらい。
しかし、後半ではうってかわって非情な世界が作り出されていました。盗みに知らずに手を貸してしまい、街の人からの信頼を大きく損ない、忌み嫌われる存在に…。先程のジョイスもレイプされかけたと嘯く始末。
この対照的なエドワードの描き方により、後半の彼の境遇への感情移入がしやすくなっていましたね。
「ジム」
この作品のヒロインであるキムの彼氏なのですが、本当にクソです。
色々な悪役を見たことがありますが、今のところダントツで嫌いな奴ですね。
実害のないエドワードを勝手に利用して彼の評判が落ちた時には真実を隠し放置。悪気なくキムに傷をつけてしまったエドワードに容赦ない追い討ち&キムの制止も無視。挙句は逆上してエドワードに襲いかかる始末。
とてもクソ野郎でした。だからこそ、並の悪役より観ていてイライラしたので、ラストでの彼の末路に、より大きなカタルシスを得ることができたのだと思います。
「愛」
「人と違う部分があってもそれは魅力。そしてその魅力をわかってくれて愛してくれる人がいる」というのをこの作品からメッセージとして感じました。
そう考えると愛って凄いですね。後半の誰もがエドワードを敵と見なしている空気の中、キムやその家族はエドワードの味方でした。それは彼女達が彼の魅力を分かっていたからこそ。
人を大切にできるのは愛があればこそということをこの作品を通して感じました。
以上がこの作品のポイントでした。
美術にもティム・バートンらしい不気味かつ愛嬌のあるデザインが多く。ザ・ティムバートン映画!のように感じました。
少々無理矢理な部分がありつつも、それ以上にLINEやメール、電話などではない「会えずとも通じ合っている絆の深さ」という部分に感動して泣きましたね…。
総合すると、考えさせられる切ないラブストーリーの映画でした。ジョニーデップの演技力と表情の豊かさは最高に心を揺さぶられますね。