何回観ても飽きない。人造人間と少女のピュアで切ないラブストーリー。ティム・バートンのバランス取れてないゴシック調と均衡取りすぎなアメリカン・ポップをまぜまぜした独特な世界観はもちろんですが、人造人間エドワードを演じたジョニー・デップの控えめな演技に心が洗われるような感動も味わえて大好きな作品。
古典怪奇映画『フランケンシュタイン』('31)をつい最近鑑賞して思ったのですがこれに影響受けていたようにも見受けらるし、『エレファント・マン』('80)にもひょっとしたら影響を受けてそうな気がします。
人との関わりを一切持たずに生きてきた、無表情な人造人間エドワード。指がハサミのまま未完で、永らく主人が不在の屋敷に放置状態だったんですね。エドワードの悲しい過去が手短にまとめられたオープニングが曲ともに好きです。
異形のエドワードがありふれた家庭に招かれて起きるアレコレ。みんな、最初はエドワードの容姿にギョッとするのですが、ハサミでなんでも作れる特技を生かして一気に人気を集めてしまう。ほのぼのとしたコメディですが、その分だけとても切ない。
愛するものに触れることができない切なさや苦しさがズキズキと伝わってきます。