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熱帯魚のatyのネタバレレビュー・内容・結末

熱帯魚(1995年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

台湾人の友達からのオススメ。良かった。

きっかけは誘拐事件なのに、いつの間にか家族のように仲良くなってしまうストーリー。「哥」と慕ってくれる弟までできて、一人っ子で、受験戦争の閉塞感に、妄想以外では暗い毎日を過ごす少年・劉志強は、誘拐されたとは思えない、充実した毎日を過ごす。

誘拐一家と一緒に食卓を囲み、海で魚を釣ったり、海辺で全力の砂遊び、浮き輪でぷかぷかと浮かびながらの読書。学校で体罰を受けていたときには絶対に見せなかった、生き生きとした笑顔。現実はこうも退屈だったのに、他人と過ごす、非現実的な毎日のおかしさ・楽しさ。台北を飛び出しての、自然いっぱいの台湾南部の旅。

少年は誘拐事件の旅で、ものすごい心の成長を遂げる。警察に見つかる場面で、少しの沈黙の後「助けてもらいました」という言葉が出たことに感動。受験勉強なんかよりも大切なことは沢山あるのだ。
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