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今夜、列車は走るのeriのレビュー・感想・評価

今夜、列車は走る(2004年製作の映画)
2.8
新自由主義・グローバル化がもたらしたものを表現した映画。
たしかに経済上は景気回復したのかもしれないけれど、数字以上に失業者が溢れた。実際アルゼンチンでは民営化によって16万人が失業した。職を失っても生きていかなくてはいけない不安、それでも社会は助けてくれない冷酷な現実を突きつけてきて、これが本当にあったとは信じたくない…。
「保険」がどれくらい自分たちの生活にとって大切なものなのか実感した。オバマケアや保険に否定する人々もいるけど、私は自分の大切な家族を守るために絶対に必要な制度だと思う。
この映画の中でも、子供の病気のために吸引機が欲しいけど保険が切れていて中古でも買えない家族が描かれていた。熱を出してもお金がないから医者を呼べなくて自力で氷水で熱を冷ましてるシーンの、子供のうるんだ瞳を見たら絶対に守らなきゃ…!って気持ちに私がなった(笑)
犯罪に手を染めた人の愛人?の人の電話が虚しかった…。みんな誰もが愛されてる。その事実だけで十分なのにお金がないだけで犯罪に手を染めて無残な死を遂げ手をしまう…。お金は大事だけれど、最低限の生活は保障しなければいけないよ…。
虚しい気持ちでいっぱいだったけれど、最後は一筋の希望を見せてくれるシーンで良かった。
新自由主義を経て数字以上に大変な世の中になったけれど、一筋の希望を目指して決して諦めず進んでいく、というアルゼンチンの強い意志が感じられた。いい映画!
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